光のもとでⅠ
「碧さん、娘とコイバナしたいってずっと言ってたから、今度お母さんに恋愛相談してごらんなさい。きっと喜ぶわよ? で、人に訊けないことがあったら私のところにいらっしゃい。なんでも教えてあげるから」
「……母と知り合いなんですか?」
「えぇ、もう何年の付き合いになるかしらね? 翠葉ちゃんが生まれる前からの知り合いよ」
 知らなかった……。
 そこに秋斗さんが慌てて入ってきた。
「ちょっと美波さんっ!?」
「何よ、そんなに慌てて」
「だって拓斗が性教育中って……」
 言ってすぐ、口もとを覆って私を見た。
 私はどうしたらいいのかわからなくて、再度視線を落とす。
「したわよ? 性教育。スタイル良くてかわいくて、これだけ素直な反応してくれたらさぞ楽しいわよねぇ? でも、無理強いはダメよ?」
 美波さん……お願いだからそれ以上何も言わないでください――。
「……無理強いはしませんて。あ~……翠葉さん、怯えてません?」
 これは私にかけられた言葉? それとも、美波さんに確認を取っている言葉?
 ベッドがギシリと音を立て、左側のマットが沈む。
 そして、秋斗さんに下から顔を覗き込まれた。
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