光のもとでⅠ

07

 一時間近く悩んで書いたメール。
 送信ボタンを押すまでにもかなりの時間を要した。
 最初から勇気なんてなかった。
 ただ、このままではいられない、いちゃいけないと思ったから――クラスのみんな宛てにメールを送った。
 でも、本当はその思いだけでは何もかもが足りていなかった。
 それは、送信してから嫌というほど知ることになる。
 携帯を持つ手が震えて止らなかった。
 ディスプレイがメールの受信を始めると、怖さのあまりに電源を落としてしまった。
 みんなから返ってくる反応が怖い。
 どれだけ考えてもあれ以上の文章は思いつかなかった。
 ありのままの自分をメールに書いたつもりだけれど、自分を人にさらけ出すということがここまで怖いことだとは思わなかった。
< 4,576 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop