光のもとでⅠ
 でもね、違うの。
 勇気は出したの。けど、足りなかったの。
 足りなさすぎた――。
 覚悟は最初からなかったのかもしれない。
 あったとしたら、それは「後ろめたさ」だったのかも……。
「自爆型の阿呆か……」
 言われていることが的を射すぎていて、余計に涙が出る。
 言われたとおりだ。
 これが自爆でなくてなんだというのか。
 でも、ツカサみたいに手際よくなんでもかんでもうまく話せるほど器用じゃないもの……。
「悪い、言いすぎた……」
 私の欲しい手は頭に置かれる。
 ツカサは少し罰の悪い顔をしていたけれど、口調も何もかもがいつもどおり。
 そんなことにすらほっとしている私は本当にどうしようもない人間で……。
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