光のもとでⅠ
 みんな、私が知らないことをたくさん知っていて、とてもわかりやすい言葉でひとつひとつを教えてくれる。
 そのひとつひとつを読み解くたびに、私の心はふわりと優しい想いに包まれた――。



「翠、夕飯」
 ゆう、はん……?
 目を開けると、薄暗い部屋にツカサの顔が見えた。
「少しは休めた?」
「……うん。桃華さんは?」
「五時前に帰った」
「そう……」
 メールを全部読み終えた私は、身体中の力が一気に抜けてしまった。
 ツカサが支えてくれなかったらそのままラグの上に倒れていただろう。
 ラグの上だからそんなに痛くはなかったと思うけれど、その場に自分を支えてくれる人がいたことに感謝。
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