光のもとでⅠ
 ただ、自分の体調のことで家族に心配をかけて、蒼兄の負担になるくらいなら、とそのふたつしかなかった。
 でも、学校が楽しい場所だとみんなが教えてくれ、人があたたかくて優しいと知ったら――無理をしてでも学校へ通いたくなった。
 人の手を借りて、周りに負担をかけてまですることなのか、と考えれば、自分のわがままでしかないんじゃないか、と思う。
 考えることは次から次へと降ってくる。
 佐野くんの言うとおりだ……。
 ひとつの不安が拭えても、まだ新たなる不安が降ってくる。
 大切なものが増えるたびに不安は多く大きくなる。
 すでに潰されてしまいそうなのに、それでも前へ進みたいってなんだろう……。
 怖いのに手放せなくて、大切でかけがえのないもの。
 ――逆、かな?
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