光のもとでⅠ
 今このテーブルには、三年生のクラス委員長、芹園亜里沙先輩と唐沢静音先輩が着いている。
 そのふたりの前にはちゃんと「お茶」と呼べる飲み物が置かれていた。
「静音は藤宮くんファンでしょ? 前に姫様呼び出してたことあったけど、まだ姫様に絡んでるの?」
 静音先輩は少し笑って、「微妙なところね」と答えた。
「ま、静音が羽目を外すとは思ってないけど……」
「青木先輩と静音先輩はお知り合いなんですか?」
「ちょっと……なんで静音が名前で私が苗字なのよ」
 なんでって……。
「私がそうお願いしたからよ」
 静音先輩は胸もとまである黒髪に指を絡ませて答えた。
「あら、じゃぁ私も亜里沙先輩って呼んでほしいってお願いしたら呼んでもらえるのかしら?」
「え……あ、はい」
 もともと生徒会の先輩たちもこんな感じのいきさつで名前の呼び方が変わったのだ。
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