光のもとでⅠ
そこへ美波さんの笑い声が聞こえてきた。
ほどなくして美波さんと妊婦さんが入ってくる。
「あ、ゆうこちゃん。お腹の子は順調?」
秋斗さんが訊くと、「はい、もう元気すぎて」とその人は柔らかく笑った。
私を視界に認めると、
「あなたが御園生翠葉ちゃん?」
「はい……」
「私、蒼樹くんと同級生なの。倉田ゆうこです」
「……蒼兄の同級生って……高崎さんとも同級生ですか?」
にこりと笑って、「そうよ」と答える。
「……兄がお世話になってました……かな? 妹の翠葉です」
奇妙な挨拶になってしまい首を傾げていると、クスクスと笑われた。
「こんなにかわいい妹さんだったのねぇ……。かわいい妹がいるって話はずっと聞いていたんだけど、写真なんて一度も見せてはくれなかったし、葵くんも一度しか会ったことがないって言ってて、でも、すごくかわいいよって情報だけはくれるから、すごく見てみたかったのよ」
「……あの、たぶん"かわいい"というのは年が離れてるから"かわいがってる"という意味だと思います」
「いいえっ」
ゆうこさんはキッパリと言いきった。
「彼のシスコンは筋金入りなんだから」
それには反論をすることができない。
「でも、こんなにかわいい子なら納得だわ」
「……え?」
「私、蒼樹くんが大好きで、高校のときに一時お付き合いしていた時期があるの。でも、うまくいかなかったのよ」
いきなりのカミングアウトにびっくりする。
ほどなくして美波さんと妊婦さんが入ってくる。
「あ、ゆうこちゃん。お腹の子は順調?」
秋斗さんが訊くと、「はい、もう元気すぎて」とその人は柔らかく笑った。
私を視界に認めると、
「あなたが御園生翠葉ちゃん?」
「はい……」
「私、蒼樹くんと同級生なの。倉田ゆうこです」
「……蒼兄の同級生って……高崎さんとも同級生ですか?」
にこりと笑って、「そうよ」と答える。
「……兄がお世話になってました……かな? 妹の翠葉です」
奇妙な挨拶になってしまい首を傾げていると、クスクスと笑われた。
「こんなにかわいい妹さんだったのねぇ……。かわいい妹がいるって話はずっと聞いていたんだけど、写真なんて一度も見せてはくれなかったし、葵くんも一度しか会ったことがないって言ってて、でも、すごくかわいいよって情報だけはくれるから、すごく見てみたかったのよ」
「……あの、たぶん"かわいい"というのは年が離れてるから"かわいがってる"という意味だと思います」
「いいえっ」
ゆうこさんはキッパリと言いきった。
「彼のシスコンは筋金入りなんだから」
それには反論をすることができない。
「でも、こんなにかわいい子なら納得だわ」
「……え?」
「私、蒼樹くんが大好きで、高校のときに一時お付き合いしていた時期があるの。でも、うまくいかなかったのよ」
いきなりのカミングアウトにびっくりする。