光のもとでⅠ
「姫って発想が不思議よね?」
 亜里沙先輩に言われる。
「でも、特典が楽しみだから、って理由はここにいる理由の半分ね」
 静音先輩がこめかみに細い指先を添えてため息をつく。
「もう半分は?」
 沙耶先輩が尋ねると、
「だって、この子無防備でしょう?」
 言いながら私の顔を覗き込む。
「無防備……ですか?」
 つい、おうむ返しのように訊き返してしまう。
「こんなところでひとり休憩してたら、また誰にいちゃもんつけられるかわかったものじゃないわ。そのくらい防衛手段のひとつとして考えなさい」
 ピシャリ、と口にする様は桃華さんのようだった。
 というよりは、桃華さんにも同じようなことを言われている。
 でも、私の中では臨戦態勢くらいな気持ちでここにいるのだけど……。
< 4,620 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop