光のもとでⅠ
「当日の流れを把握していないのは気持ちが悪い」と言うツカサを、
「流れっていってもたかだか一曲分だよ」
 笑って諭してくれたのは朝陽先輩だった。
 進行をすべて把握していないと気持ち悪い、というツカサの言い分は、ツカサの性格を知っている人ならわかると思う。
 でもね、びっくりしてほしいから、驚いてもらいたいから秘密がいい。
 ほか二つの空欄は、第一部の生徒会女子メンバーが歌う曲名。
 あとは第三部の茜先輩が歌う曲名。
 そのふたつにはどんな意味があるのかは教えてもらえなかったけれど、茜先輩の「ひ、み、つ!」は絶対で絶大――。

 歌合せは演奏をする人たちが異なるたびに場所を移動する。
 吹奏楽部との合わせならば音楽室へ行くし、軽音部やフォークソング部との合わせなら三文棟。
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