光のもとでⅠ
「――もうっ、人前でキスしたら怒りますからねっ!?」
秋斗さんを睨みつけても、「はいはい」と真面目に取り合ってはもらえない。
そのまま手を引かれて玄関まで行くものの、決定的な事実が発覚する。
靴がないのだ。
「やっぱり抱っこだね」
と、嬉しそうに笑う秋斗さんを見たのは束の間で、すぐに抱え上げられてしまう。
やっぱり恥かしい……。
「葵には腕を回していたのに、俺にはしてくれないの?」
「高崎さんは特別です……」
「……それ、面白くないな」
「……だって、蒼兄と同じ気がするから」
「なら別にいい、とか言ってあげられるほど心は広くないんだよね」
そしてすぐ、唇にキスをされた。
「っ……秋斗さんっ」
「何? 誰も見てないよ?」
と、揚げ足を取るような物言い。
「……秋斗さんは慣れているのかもしれないけど、私は……私は、慣れていないんです」
「……俺だって好きな子にキスをするのは慣れていないけどね」
言うと、無言で靴を履き、玄関のドアを開け家を出た。
秋斗さんを睨みつけても、「はいはい」と真面目に取り合ってはもらえない。
そのまま手を引かれて玄関まで行くものの、決定的な事実が発覚する。
靴がないのだ。
「やっぱり抱っこだね」
と、嬉しそうに笑う秋斗さんを見たのは束の間で、すぐに抱え上げられてしまう。
やっぱり恥かしい……。
「葵には腕を回していたのに、俺にはしてくれないの?」
「高崎さんは特別です……」
「……それ、面白くないな」
「……だって、蒼兄と同じ気がするから」
「なら別にいい、とか言ってあげられるほど心は広くないんだよね」
そしてすぐ、唇にキスをされた。
「っ……秋斗さんっ」
「何? 誰も見てないよ?」
と、揚げ足を取るような物言い。
「……秋斗さんは慣れているのかもしれないけど、私は……私は、慣れていないんです」
「……俺だって好きな子にキスをするのは慣れていないけどね」
言うと、無言で靴を履き、玄関のドアを開け家を出た。