光のもとでⅠ
「それが何?」というような顔をされた。
 これがツカサなら、眉間にしわを寄せ怪訝な顔をされたことだろう。
「全団体の予算申請書や報告書を見てきたのですが……」
「うん」
「カボチャ、仕入れてるところが少ないんです」
「……え?」
「カボチャを買っている団体が二組しかありません」
「……それがどうかした?」
「あ、えと……この紅葉祭ってハロウィンパーティーも兼ねてるんですよね?」
「そうだけど……あっ――」
「なのにカボチャを買ってる団体が二組しかないんです」
 その二組のうちのひとつがうちのクラスで、もうひとつは調理部。
「翠葉ちゃん、その先、ぐわっと喋ってくださいなっ!」
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