光のもとでⅠ
 目の前で繰り広げられた会話はちょっとした攻防のようにも見え、優太先輩に視線を向けると、
「良かったね」
 にっこり笑顔が返ってきた。
「っ……優太先輩、ありがとうございます!」
「いいえ。ほら、司に角が生える前に撤収撤収!」
「はいっ!」
「優太、俺に角は生えない……」
「いや、俺と翠葉ちゃんには見えるんだ」
 そんな会話を聞きながらカウンターへ向かう。
 起案書なんて作るの初めて……。
 いつも人間計算機よろしく的に扱われていたから。
 どうしよう、すごく嬉しい――。
 私が作ったものがあの白いファイルの中の一枚に加われるのかな……。
 そう思うと、さらなる嬉しさがこみ上げてきて、自然と顔が緩んでしまう。
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