光のもとでⅠ
「お茶……?」
「そんなに興奮していたら眠れないでしょ?」
 秋斗さんに笑われてはっとする。
「わっ、寝ます寝ますっっっ。ちゃんと休まないと起案書作らせてもらえないんですっ」
 自分がどれだけ浮かれていて、そのことを笑われたかと思うと頬が熱くなる。
 早く寝なくちゃ、と思う気持ちと、この顔を隠したいと思う気持ちがすぐさまソファへ向かわせる。
 そこにある羽根布団をすっぽりかぶってしまうと、お布団の中の暗闇に安堵した。
 秋斗さんからしてみたら、学園祭の起案書なんてかわいいものなのだろう。
 だから、こんなにはしゃぐ私を見て笑ったのかもしれない。
 ううん、こんな私を見たらツカサにだって笑われる。
 笑われる……というよりは、呆れた顔で見られてしまいそうだ。
 もしくは、「何がそんなに嬉しいんだか」って言われると思う。
 でも――すごく嬉しかったんだもの……。
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