光のもとでⅠ
 嬉しくて嬉しくて、すぐに誰かに話したかったの。
 そしたら秋斗さんが目の前にいた。
 もし誰もいなかったら蒼兄に電話をしていたかもしれない。
「今のままじゃ絶対に休めないと思うよ?」
 ギシリ、とソファが音を立てたとき、馴染みある感触が頭に触れる。
 蒼兄の手が乗せられたときと同じ……。
 けれど、蒼兄のそれとりはほんの少し遠慮が感じられる触れ方。
 お布団をずらすと、すぐそこには秋斗さんがいて、目が合うとにこりと笑った。
「だから、ラベンダーティーでも飲んで少し落ち着いてから寝たらどうかな?」
「……いつもと順番が逆になっちゃうけど、いいですか?」
「かまわないよ。でも、今日は俺に淹れさせてね」
 秋斗さんはそっとソファを離れた。
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