光のもとでⅠ
 私、そんなに驚かれるようなことを口にしただろうか。
 でも、次に驚くのは私の番だった。
 とても忙しい人のはずなのに、たくさんの音楽を聴いているようだったから。
「すごい――私は……」
 言いかけてやめた。
 だって、もしかしたらこんな話も前にしたことがあるのかもしれない。
 パレスへ行くとき、DIMENSIONが好きという話をしたということは聞いていたし、カーペンターズの「Close to you」が好きなことも知っていた。
 秋斗さんは私の言葉をじっと待ってくれていた。
「……いえ、なんだか秋斗さんは私のことをなんでも知っている気がするから」
 苦笑いで答えると、
「……言って? それが二度目でも三度目でも、俺は何度でも聞くし聞きたいよ」
 どうして、かな……。
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