光のもとでⅠ
 あまりにもツカサが一緒であることを当然のように思っていたから。
「そうだよね……。真白さんも涼先生も、みんながマンションにいるんじゃ寂しいよね」
 そう言ってこの会話を終わらせたけれど、私の心には黒い影が差した。
 どうしよう――なんで「当然」なんて思っちゃったんだろう。
 それはとても危ないことなのに……。
 ここのところ、「大丈夫」「何度でも言う」、と優しい言葉ばかりを聞いていたからかな……。
 感覚が少し麻痺しているのかも。
 違う――違う違う違う……。
 その人たちが言ってくれた言葉は絶対に疑わないと決めた。
 信じてる、信じるの――全部丸ごと。
 目を瞑り心を落ち着けるおまじない。
 何度も繰り返し聴いたひとつの声を頼りに数を数える。
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