光のもとでⅠ
 そのとき、どうして日曜日の明日病院へ行かなくてはいけないのかを尋ねてみたのだけれど、
「相馬が直接話したいって言ってた」
 湊先生はそれしか教えてくれなかった。
 栞さんも昇さんも知ってはいるみたいだけれど、教えてくれる気はないみたいだった。
 本当なら次の治療は月曜日だから、明日でなくてもいいはずなのに――。
 そんなことを考えつつ休み、今朝もいつもと同じ行動を取る。

 蒼兄がランニングから帰ってきてシャワーを浴びているうちにキッチンに置いてある瓶から一粒の錠剤を取り出しピルケースへ入れる。
 この行動をするため、私の基礎体温計のアラームは五時十分にセットしてあった。
 どうしても、身体を起こせるようになるまでしばらくの時間を要すから。
< 4,720 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop