光のもとでⅠ

21

 あ、そうだ――。
 学校へ行くのが遅れることを連絡しておかなくちゃ……。
 でも、どのくらい遅れることになるんだろう……?
「リィ、着いたよ」
「あ、うん。ちょっと電話してもいい?」
「うん、どうぞ」
 携帯を取り出しツカサにかける。
 コール音三回目でツカサの声が聞こえてくる。
『はい』
「ツカサ……?」
『そう、俺じゃなかったら誰にかけたつもり?』
「あ……そうだよね。うん、ツカサに電話したの」
 どうしても電話というものが苦手なうえに、携帯が個人のものであることを忘れてしまう。
 出る相手が決まっていても、その人であることを確認せずにはいられない。
 みんなはそんなことないのかな……?
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