光のもとでⅠ
『九時半からある合同ミーティングで使うから、内容は変えずにあのまま清書する』
「お願いします……」
 本当はそこまで自分でやりたかっただけにちょっと悔しい……。
『翠、まだ起案書だ。ミーティングで可決されれば企画書に変える必要がある。翠はそれをやればいい。月曜には学校長に申請するつもりでいる』
「……ありがとう」
『何泣きそうな声してるんだか……。用件がそれだけなら切るけど?』
「うん、ありがとう……」
 ツカサが切るのを待ってから通話を切った。
「そっか。学園祭の準備とは言えど、遅れるよ連絡は必須だよね」
 シートベルトを外した唯兄は雪崩でも起こしたかのような格好で訊いてくる。
「でも、そういう連絡って女友達にしたりするんじゃないんだ?」
 女友達……?
 言われて気づく。
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