光のもとでⅠ
 午後になると、もう少しお日様色の柔らかな黄色の光があふれる。
 陽が傾きだすころには赤味を帯びた光に変化する。
 ここは病室であって処置室でも診察室でもない。
 けれど、私にとっては病室兼処置室兼診察室の三役を担う部屋になっていた。
「でも、あのシスコン兄貴二号も藤宮警備にいるだけあって機転が利くな?」
「……二号って、唯兄のことですか?」
「あぁ。スイハはナンバーツーのとこで仕事すんだろ? それがトップシークレットなら、ここに来ているのがスイハだと知られないのが最良だ。だから、あらかじめ警備室に連絡を入れてスイハたちの名前は記入させないようにしていたんだが……」
 あ――。
「まぁ、いい。それは二号に任せとけ」
 そう言うと、いつものようにカイロに使われる寝台に腰掛けて脈を取られる。
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