光のもとでⅠ
 涙が流れるのも髪の毛が頬に張り付くのも、どうでもよかった。
 こういうの、やだよ……。
 できることならずっと蓋をしておきたい。
 人になんて見せたくない。
 自分のことも騙せていられたらよかったのに……。
 ねぇ、先生、知ってる?
 この感情はマグマなんだよ。
 本当は火山口なんて開いてほしくなかったのに――。
「それはおまえが一番よく知ってるだろ?」
「――知ってる……。嫌っていうくらい知ってる。でも、知っているからといって、わかっているからといって、それで何もかも納得してるわけじゃないし、納得できるわけじゃないっっっ」
「……そうだな。俺ら医者はおまえが納得するような答えは出してやれねぇ」
 そんなのひどい……。
 こんな感情と向き合わせたくせに、結局私が納得できる答えなんてないんじゃない。
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