光のもとでⅠ
33
ポーチで音がしたと思ったら栞さんが帰ってきた。
栞さんが部屋に入ってきたとき、栞さんを迎えに出たらしい秋斗さんと一瞬目が合ったけれど、ドキドキはドキドキでも、相変らず心臓に悪いほうのドキドキだった。
「翠葉ちゃん、体調はどう?」
栞さんの手が額に伸びてくる。
「少し熱があるかしら?」
言いながら、枕元に置いてある私の携帯を手に取る。
「三十七度五分。でも、体は起こせるようになったのね」
と、少しほっとしているようだった。
「で、秋斗くんが廊下に座り込んでいたけれど、何かあったの?」
「「「えっ!?」」」
三人顔を見合わせ絶句する。
さっきまでの会話をすべて聞かれていたのだろうか。
「司、何も言わずに偵察かよ……」
蒼兄が零すと、
「彼、淡白なだけじゃなくて意外と侮れないわけね……」
若槻さんが顔を引きつらせた。
栞さんは意味がわからないという顔を私に向けてくる。
「…………なんでもないです」
もう誰にも何も言いたくないし訊かれたくもなかった。
栞さんが部屋に入ってきたとき、栞さんを迎えに出たらしい秋斗さんと一瞬目が合ったけれど、ドキドキはドキドキでも、相変らず心臓に悪いほうのドキドキだった。
「翠葉ちゃん、体調はどう?」
栞さんの手が額に伸びてくる。
「少し熱があるかしら?」
言いながら、枕元に置いてある私の携帯を手に取る。
「三十七度五分。でも、体は起こせるようになったのね」
と、少しほっとしているようだった。
「で、秋斗くんが廊下に座り込んでいたけれど、何かあったの?」
「「「えっ!?」」」
三人顔を見合わせ絶句する。
さっきまでの会話をすべて聞かれていたのだろうか。
「司、何も言わずに偵察かよ……」
蒼兄が零すと、
「彼、淡白なだけじゃなくて意外と侮れないわけね……」
若槻さんが顔を引きつらせた。
栞さんは意味がわからないという顔を私に向けてくる。
「…………なんでもないです」
もう誰にも何も言いたくないし訊かれたくもなかった。