光のもとでⅠ
25
ぐちゃぐちゃな顔のまま、「ごめんなさい」と口にしたら、栞さんに「顔を拭こう?」とホットタオルを手渡された。
無言でそれを受け取り顔にあて、目にある余分な水分を吸い取ってから顔を離した。
もう一度「ごめんなさい」を言おうとしたら、湊先生に両頬をつねられた。
真正面から、「次はない」と射抜くような目で言い、すぐに病室を出ていってしまう。
蒼兄にはぎゅっと抱きしめられるだけで何も言われなかった。
私は蒼兄の耳もとで何度か「ごめんなさい」と小さな声で謝った。
改めて実感した。
みんなが見守っていてくれたことを――。
「んじゃ、治療するから廊下に出てろ」
昇さんの一言に栞さん以外の人が病室を出ていった。
出る間際、唯兄に声をかけられる。
「司くんには俺から連絡入れてもいい?」
「……お願いしてもいい?」
「もっちろん!」
無言でそれを受け取り顔にあて、目にある余分な水分を吸い取ってから顔を離した。
もう一度「ごめんなさい」を言おうとしたら、湊先生に両頬をつねられた。
真正面から、「次はない」と射抜くような目で言い、すぐに病室を出ていってしまう。
蒼兄にはぎゅっと抱きしめられるだけで何も言われなかった。
私は蒼兄の耳もとで何度か「ごめんなさい」と小さな声で謝った。
改めて実感した。
みんなが見守っていてくれたことを――。
「んじゃ、治療するから廊下に出てろ」
昇さんの一言に栞さん以外の人が病室を出ていった。
出る間際、唯兄に声をかけられる。
「司くんには俺から連絡入れてもいい?」
「……お願いしてもいい?」
「もっちろん!」