光のもとでⅠ
 お昼を食べたあとは言われたとおりベッドに横になっていた。
 ここのところはずっと身体が重だるかったこともあり、横になっているのは苦痛ではなかった。
 ぼーっとしていたのは病院にいたときだけで、帰り道、歩道を歩く見慣れた制服を着た人たちを見かけるたびに胸がきゅっ、と締めつけられた。
 今日明日はお休み。
 じゃぁ、そのあとは……?
 紅葉祭まで二週間を切ったのに――。
 私はこのままどうなるのだろう。ここでリタイアなのかな……。
 そういうの、もう嫌なのに――。
 仕方ないのかな……。
 がんばりどころを間違えるなって――なら、どこでどうがんばったら私はリタイアせずにいられるの?
 コンコン――ノックの音がして唯兄が顔を出した。
「あぁ、また泣いてるし……」
 唯兄はベッドまでやってくると、Tシャツの袖で涙を拭ってくれた。
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