光のもとでⅠ
「あ……それで唯兄は学校へ行ってくれていたの?」
「そうだよ。あの設定そのものがプレゼント」
 唯兄が人懐こい笑顔を見せる。
「ちょっといじってハッキング~、っていうのが一番楽だったんだけど、彼が正規ルート通せって言うから少し時間かかっちゃった。でも、おかげで司っちとの交流も深まったしね?」
 さっきから少し気になっていた。
「ツカサと唯兄、呼び方が変わった?」
「うん。正規ルート通す代わりに名前を呼んでもらうことにした。あの場で若槻さんって呼ばれても困るからね」
 唯兄とは対象的に、ツカサが嫌そうな顔をしているのはきっと気のせいじゃない。
 たぶん、「唯さん」と呼ぶことが嫌なのではなく、「司っち」と呼ばれるのが嫌なのだろう。
 蒼兄も同じことを考えているのか、苦笑していた。
「自己紹介で御園生姓を名乗ったんだ。で、唯は愛称って言ってある。因みに、唯芹は好きな女の子にしか呼ばせない予定だから呼ばないでね、ってハートマークつけて牽制してきたよ。だから、学校で唯兄って呼んでも平気。因みにリィって呼び名の由来は適当に話してきたから、適当に話合わせてねー!」
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