光のもとでⅠ
 唯兄はフンフン、と鼻歌を歌いながら夕飯の片付けを始める。
「唯兄、ありがとう。ツカサもありがとう」
「うん。あぁ、そういえば……」
 唯兄がキッチンから顔だけを覗かせる。
「生徒会の子たちから伝言預かってたなぁ。ステージでそれを返してね、って言ってたよ」
 ステージ――。
「うん、がんばる」
 相馬先生、まだ全然わからない。
 十のモノサシと五のモノサシを同じになんて思えない。
 でも、私ががんばる場所。
 間違えてないものがひとつある。
 それは歌。……ステージ。
 そこは間違っていないと思うの。
 先生、間違ってないよね?
 そこはがんばってもいいところだよね?
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