光のもとでⅠ
「えぇえぇ、そりゃ喜びそうなものを送っておきましたよ」
 へへん、とわざとらしく人差し指で鼻を擦って見せた。
 私と蒼兄は口をぽかんと開けたまま唖然としていた。
「どうしよう、蒼兄……」
 隣に並ぶ蒼兄を見上げると、苦笑が返ってくる。
「唯は何を送ったんだ?」
「そろそろ感激スカイプが飛んでくると思うんだけどな?」
 唯兄の部屋にある大きめのディスプレイの前に三人そろって座っていると、十一時を少し回ってお父さんがオンラインになった。
『プレゼントありがとうっっっ! もう、これ以上にないプレゼントだよ!』
 どうやらかなり喜んでいるらしい。
 けれども、私と蒼兄は唯兄が何をプレゼントしたのか知らない。
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