光のもとでⅠ
「翠は翠のペースでいいと思う。どうしてそこで人に合わせる必要がある? ……それで許容量を超えてたら翠がもたない」
 その言葉にひどく救われた気がして涙が出てくる。
「なんで泣くんだよ……」
「だって……だって、わからないんだもの」
 自分のペースでいれば鈍感な人みたいに言われるし、人のペースを見ていると目まぐるしくてとてもついていけそうにはない。
 こんなこと、体力以外では何もなかったのだ。
 それはひとえに、私が人との付き合いをしてきていないということ。
 家族以外の人と交流がなかったことを示しているようでもあった――。
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