光のもとでⅠ
 若干、口が開き気味なのが珍しいと思う。
「生徒会も、やめたくないけどやめなくちゃいけないかなって考えていたのだけど、紅葉祭が終わるまではどうしても続けたくて、どうしたらいいだろうってものすごく悩んでいて……そしたら、みんなが活路を見出してくれた」
 本当に――本当に嬉しかった。
「それが一番大きいかもしれない」
 笑みを添える必要なんてない。
 顔が勝手に笑顔になる。
「翠葉がこんなに話してくれるのも珍しいわね」
「え?」
「あまり自分の思ってることをたくさん話すほうではないでしょ? 口にしても数行で終わるわ」
 そうだったかな……?
< 4,856 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop