光のもとでⅠ
「うちの生徒会は『特別扱い』を認めるほど甘くはない。それくらい、一度は生徒会に籍を置いていたことがある香月さんならわかると思うんだけど」
 ツカサの声に温度がなかった。
 隣に立つツカサは、温度のない声と感情を反映させない表情で言葉を続ける。
「香月さんは翠がやっている仕事をすべて知ったうえで『特別扱い』と口にしているのか知りたい」
 香月さんは何も答えなかった。
「翠が単なる一年の会計、下っ端だと思っているならその考えは早めに改めるべきだ」
 ツカサは口もとにだけ笑みを浮かべた。
「今、生徒会には会計が三人いる。が、現時点で会計の作業をしているのは翠ひとりだ。俺と優太はイレギュラーなアクシデントの対応要員として動いてる」
「嘘……」
「事実」
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