光のもとでⅠ
クラスメイトを見ながら、紅葉祭までのカウントダウンが始まったことを感じる。
なのに、どうしてかまるで他人事のように思える。
おかしいな……。私もその中にいるはずなのに。
ずっとその中にいて、楽しくて仕方がなかったはずなのに。
今は心の中が空っぽに近い。
教卓の前を通り過ぎたとき、私に気づいた飛鳥ちゃんに声をかけられた。
「翠葉、かばんの中で携帯がずっと鳴ってた」
きっと唯兄だ。
「ありがとう。たぶん唯兄」
「さっきの……本当にクラス展示の再申請の件だったの?」
どこか疑うような声音で訊かれる。
飛鳥ちゃんと一緒に確認作業をしていた理美ちゃんも同じような目をしていた。
なのに、どうしてかまるで他人事のように思える。
おかしいな……。私もその中にいるはずなのに。
ずっとその中にいて、楽しくて仕方がなかったはずなのに。
今は心の中が空っぽに近い。
教卓の前を通り過ぎたとき、私に気づいた飛鳥ちゃんに声をかけられた。
「翠葉、かばんの中で携帯がずっと鳴ってた」
きっと唯兄だ。
「ありがとう。たぶん唯兄」
「さっきの……本当にクラス展示の再申請の件だったの?」
どこか疑うような声音で訊かれる。
飛鳥ちゃんと一緒に確認作業をしていた理美ちゃんも同じような目をしていた。