光のもとでⅠ
 唯兄の電話のあと、一年G組のクラス委員が呼んでいると取り次いでくれたのは飛鳥ちゃんだった。
「なんか再申請の件みたいだけど……」と、飛鳥ちゃんはそのときからあまりいい顔をしていなかった。
「忙しいところ悪いのだけど、会計のは人なかなか捕まらないし、申請が通るかも微妙なものだから、再申請する前にちょっと見てほしいの」
 私は香月さんにそう言われたのだ。
 どっちにしろ再申請が上がってくれば私のもとに届く。
 それなら、今確認するのもあとで確認するのも同じこと。
 その場で書類のチェックをするのかと思ったら、現場を見て欲しいとのことで、彼女と一緒に教室を出た。
 まだ学校で作業していた頃はこんなことも珍しくなかったから、何を不思議に思うでもなかった。
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