光のもとでⅠ
「忘れてないと思うけど、十時半には締め出される。今から遅れた三十分取り戻す」
あ――。
「翠は再申請がかかってる分から手をつけろ。俺は収支報告を最後から確認していく」
「ありがとう……。でも――」
「基本、こんな手伝いをするつもりはない」
本当にわかりづらい……。
でも、これがツカサの優しさ。
「ありがとう……」
「同じ会計に属する人間として礼を言われる覚えはないけど――そうだな、ひとつ貸しってことで」
私から三分の一ほどのファックス用紙を取り上げると、シニカルな笑みを浮かべた。
何度言うんだ、って言われてしまいそうだけど、もう一度「ありがとう」と言わずにはいられなかった。
ツカサは呆れたような顔をしたけれど、それ以上は何も言わずに作業に取り掛かった。
あ――。
「翠は再申請がかかってる分から手をつけろ。俺は収支報告を最後から確認していく」
「ありがとう……。でも――」
「基本、こんな手伝いをするつもりはない」
本当にわかりづらい……。
でも、これがツカサの優しさ。
「ありがとう……」
「同じ会計に属する人間として礼を言われる覚えはないけど――そうだな、ひとつ貸しってことで」
私から三分の一ほどのファックス用紙を取り上げると、シニカルな笑みを浮かべた。
何度言うんだ、って言われてしまいそうだけど、もう一度「ありがとう」と言わずにはいられなかった。
ツカサは呆れたような顔をしたけれど、それ以上は何も言わずに作業に取り掛かった。