光のもとでⅠ
「はい、そこまで」
 声をかけられたのは、ディスプレイに「GAME OVER」の文字が表示される数秒前だった。
 とてもきりのいいところで声をかけられた。
 もしかしたら、ツカサは自分の作業をとっくに終えていて、私の作業の進行状況を見ていたのかもしれない。
 ローテーブルから少し離れて息を吐き出すと、張り詰めていた神経が少し緩んだ。
 手を組み軽く伸びをすると、背筋が伸びて気持ちが良かった。
 そのまま後ろにコロンと寝転がってしまいたい気持ちを抑え、学校のかばんに手を伸ばす。と、ツカサにその手を止められた。
「作業と勉強の間に休憩十分は入れろ」
 時間がもったいないと答えようとすると、
「効率が下がる」という一言に口にすることさえ却下されてしまった。
「じゃ、お茶淹れてくる」
「翠は糖分を摂ること」
 それは暗にポカリを飲むように言われている気がしてならない。
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