光のもとでⅠ
 顔を覗きこまれ、
「私、唯兄に何か話したっけ?」
「何も聞いてないけど。でも、何かあったとしたら彼がらみかな、と思っただけ」
 唯兄はにこりと笑うけど、私はどうしたことかどんどん頬が熱を持っていく。
「リィ、顔真っ赤」
「のっ、飲み物用意しなくちゃっっっ」
 私は逃げるようにキッチンに駆け込み、食器棚の前に座り込む。
 なんで、どうして……。
 どうして赤面しなくちゃいけないんだろう。
「どうしよう、これじゃ部屋に戻れないよ……」
 困っていると、業務用冷蔵庫が視界に入った。
 私はのそのそと冷蔵庫の前へ移動し、冷蔵庫に頬をつけた。
「……冷たい」
 少し落ち着いてから立ち上がり、冷蔵庫を開けてペットボトルを取り出す。
 ちょっと悔しいから、ツカサの分もお茶じゃなくて同じポカリにしてしまおう。
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