光のもとでⅠ
 でも、嫌がらせにすらならないのがまた悔しい……。
 自分の分はきっちり二倍に希釈した。
 両手にグラスを持ち、部屋の前まで来て気づいたこと。
「私、両手塞がってる……」
 ノックしようにもできない。
 すると、内側からドアが開いた。
「何やってるんだか……」
「……なんでわかったの?」
 足音? 気配? それとも念?
「戻ってくるのが遅いと思っただけ」
 なるほど……。
「で、俺もポカリなのは嫌みのつもり?」
「……嫌みというか嫌がらせにすらならない事実には入れている最中に気づいたよ」
「ふーん」
< 4,945 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop