光のもとでⅠ
「そんなカチンコチンでどうするの?」
 人差し指で頭をつつかれた。
「これから御園生がすることは詮索しない。立ち聞きもしない。でも、そこまで送る」
 そう言って隣に並んでくれた。
 佐野くんはそのまま関係のない話を続ける。
 さっきまで受けていた授業の話や今朝の朝練での話。
 それらを聞いていたら、あっという間にG組に着いてしまった。
「行き先はそこ?」
「うん」
「人、呼べるの?」
 正直、自信はないし怖いとも思う。
 でも、それじゃだめだから……。
「自分で呼ぶよ」
「じゃ、ひとつ伝授。ドアを開けたら一番近くにいる人に、呼んで欲しい人の名前を伝えること」
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