光のもとでⅠ

43

「いよいよ明日だね」なんて話をしながら、歌合せがすべて終わった私は茜先輩とふたり、桜林館からテラスへ出た。
 外はまだ薄暗い程度で、あたりを見渡すことができる。
 少し火照った身体には心地よいと思える風が吹いていた。
 歌を歌ったあとじゃなかったら少し肌寒いと感じたかもしれない。
 生徒会メンバーの歌合せは午後から演目順不同で行われており、私と茜先輩のデュエットが一番最後だったこともあり、私たち以外のメンバーはすでに図書室へ戻っている。
 ただ、華道部の桃華さんだけは飾り付けのため、まだ桜林館に残っている、
 久しぶりに寄った図書室では、あらかじめ渡していた会計のデータをツカサと優太先輩が最終チェックをしているところだった。
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