光のもとでⅠ
 満面の笑みで「拉致りました」と。
「兄ちゃんっ、どうでもいいから海斗に何か鎮静作用のある飲み物っ! 間違ってもカフェインとか刺激物入れないでっ」
「お、おぉ?」
「へっへっへっ……今、超絶ファイティングモードっす」
「あぁ……何? 今朝のことを吐かされた口?」
 葵くんが空太に訊くと、空太は情けない顔でコクコクと首を縦に振った。
「任せてください。弟君、吊るし上げました」
「あはは、そっか……。空太もまだまだだなぁ……」
 葵くんは苦笑を浮かべつつ、「飲み物用意してくるよ」とカフェラウンジのカウンター内へと入っていった。
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