光のもとでⅠ
「飲み物を用意するから、カフェラウンジで話をしたらどうかな?」
 葵くんは俺の肩に手を置き、ポンポンと二回軽く叩いた。そして、
「少し落ち着こうか」
 小さな声で諭された。
 数分後、葵くんが淹れてくれたお茶を前に翠葉が話しだす。
「海斗くん、ツカサは私に『今を見ろ』って教えてくれたんだよ。色んなことを言われて不安になって怖くて泣いたりもしたけどね、いつも最後には安心させてくれるんだよ」
 むかつく――。
 俺だって同じことを知ってほしくて、怖いことなんて何もないって教えたいのに……。
 なんで俺らの気持ちは届かなくて司のは届くんだよ。
 こんなに泣かされても、学校へ行くのが怖いと思うほどの境地に立たされても――なんで……。
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