光のもとでⅠ
「うん、本当にそう思う。でもね、どうしようもできなくて、すごく苦しいの――」
 翠葉は少し笑ったけど、最後「すごく苦しいの」と口にしたときは眉根がきゅ、と寄った。
 あぁ……本当に苦しいんだ、と思うくらい。
「……翠葉ちゃん、絶対に大丈夫だから」
 俺の隣に座る空太がテーブルに身を乗り出す。
「言葉で伝えてもダメかもだけど、でもっ、絶対に大丈夫だからっ。俺、翠葉ちゃんが不安そうな顔をしていたら、うざがられようと毎回そう言うって決めたんだ」
 それ、俺も賛成。
 っていうか、最初からうちのクラスはそういうスタンスなんだ。
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