光のもとでⅠ
「藤宮先輩にだけいいとこ持っていかれたくないしっ」
 それにも同感。
「な? 海斗っ」
 空太が俺を向くのと同時に、バシ、と背中を叩かれた。
 思わず咽そうなくらいの力で。
「痛ぇし……。司のやつ、マジムカつくわ……」
「――あのねっ!?」
 もおおおおおっっっ!
「翠葉が庇えば庇うほどにムカつくんだよっ」
 思わずその場で地団駄踏んでしまった。
 何、俺。幼稚園児?
「翠葉ちゃん、大丈夫。海斗はさ、お手柄を全部藤宮先輩に持っていかれてるのが嫌なだけ。ま、それは俺もなんだけどね」
 そのとおりだよっ、悪いかっ!?
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