光のもとでⅠ
「そっか……そうだよね。うちのクラスからは桜並木まで見渡せるものね」
実際に見ていたのは俺じゃなくて桃華なんだけど……。
それはこの際どうでもいいや。
「ツカサも怖かったのだけど、クラスの下駄箱も怖かったんだよ。……誰かいたらどうしよう、って……。ほかのクラスの人や知らない人はたくさん下駄箱にいたけれど、その人たちのことはなんとも思わなくて、ただ、大好きなクラスメイトやツカサが怖かった」
なんで……。
「あのね、好きと怖いは正比例なの」
は……?
「それはつまり、好きな人ほど怖い対象になっちゃうってこと?」
空太が身体を起こして真正面の翠葉と向き合う。
実際に見ていたのは俺じゃなくて桃華なんだけど……。
それはこの際どうでもいいや。
「ツカサも怖かったのだけど、クラスの下駄箱も怖かったんだよ。……誰かいたらどうしよう、って……。ほかのクラスの人や知らない人はたくさん下駄箱にいたけれど、その人たちのことはなんとも思わなくて、ただ、大好きなクラスメイトやツカサが怖かった」
なんで……。
「あのね、好きと怖いは正比例なの」
は……?
「それはつまり、好きな人ほど怖い対象になっちゃうってこと?」
空太が身体を起こして真正面の翠葉と向き合う。