光のもとでⅠ
 不思議そうな顔をしてテーブルへやってきた葵くんは、
「ふたりとも顔真っ赤だけど?」
 葵くん、ストップっっっ!
 今はそれ以上突っ込まないでっっっ。
「……どうか、した?」
 赤面の「せ」の字も見せない翠葉が首を傾げる。
 葵くんが入れてくれたアイスティーをほぼ一気飲みした俺らは、
「「でっっっ!?」」
 と、先を促し自爆する。
 俺と空太の目は血走っていたんじゃないかと思う。
 そこからの話はごく甘世界だった。
 司の口にした言葉の数々は、司が言った、という前提をなくせば「ふーん……」と聞き流してしまうようなものだ。
 が、よくよく考えてみれば歯が浮きそうな台詞なのに妙な重みがあって、浮くに浮けない……。
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