光のもとでⅠ
「言葉」はあくまでも「司」なのに、その司が言うから内容が濃いっていうか……。

 ――「条件反射、パブロフの犬。翠は犬になればいい。もしくは、恐ろしく品質の悪い機械。俺が何度でも上書きしてやる。壊れるたびにリカバリーしてやる。保障期間は俺が死ぬまで半永久的に」

 前半はこっぴどいことを言っているように思えるけど、後半は――何、あれ……。
「一生側にいる」って、そう言ってるのと変わらないじゃん。
 これって告白以上なんじゃないのっ!?
 好きとか嫌いとか愛してるとかそういうの軽く超えててさ。
 なのに、目の前の翠葉は会話のひとつひとつを大切そうに口にするものの、その気持ちに気づいている気配がまったくねぇ……。
 この超天然鈍感少女め……。
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