光のもとでⅠ
 なんでかなっ!?
 そりゃ、ここまで言われたら安心だってするだろうよ。
 けどさ、その言葉に裏づけされる司の気持ちまで気づかないかなっ!?
 そこ、気づいておこうよっ!
 じゃないと司が不憫すぎる……。
「す、翠葉っ――」
「……どうしたの?」
 首を傾げて訊かないでくれぇぇぇ……。
 つい、その場で悶えたい衝動に駆られる。
「いやっ、そのっ……翠葉ちゃんってすごいなっていうか、いや、藤宮先輩がすごいっていうか――」
 空太もしどろもどろだが、俺だって変わらない。
 佐野、俺たち道化師かも。
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