光のもとでⅠ
「いや、もうなんていうか――そのままの翠葉ちゃんでいてくださいっ」
 空太が席を立った直後に動作が止った。即ちフリーズ。
 何かと思えば、エントランスから司がカフェラウンジへ入ってきたところだった。
「もう五時回ってる。翠はいい加減上がれ」
「うん。空太くんも帰るみたいだし、そうする」
 あの話を聞いた直後にこのふたりを見るのはちょっと耐えらんない、っつか、なんであんな会話したあとなのにこんな普通に接することができるのか俺には謎っっっ。
 空太っ、おまえまじ、ここに俺ひとり置いていくのやめろよなっ!?
「……本当にどうしたの?」
 翠葉はさっきからそれしか言わない。
 というよりも、それしか言えないくらいに俺と空太が挙動不審な動きをしてるって話で……。
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