光のもとでⅠ
「電源は入れておけ」
 翠の返事は聞かずに電源を入れる。と、途端に鳴りだす携帯に驚いた。
 メールの着信、電話の着信が次々と鳴り出す。
 それのどれもが翠のクラスメイトだった。
 何をしたのかはわからない。
 でも、翠が何かをしたのだろう。
 そして、その結果に怯えている――。
「……勇気も覚悟もないのに、メール、送っちゃった――」
 携帯を取り上げられた翠は、ソファにしがみついてそう言った。
 不安でどうしようもなくて何かに縋りたい。もしくは、力いっぱい何かを掴んでいたい。
 そんな境地らしい。
 メールの内容というか、翠がしたことはなんとなくわかる。
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