光のもとでⅠ
内藤和志(ないとうかずし)――私のお目付け役といった人間。
家の用事で外出するときや学校の帰りが遅くなるときは、この男が私の送迎をする。
お父様は外出のすべてにおいてこの男に送迎させたいようだけれど、それは今のところ免れている。
「私はまだ高校生です。杏華(きょうか)姉様のように家出などするつもりはございません」
そう言って黙ったということは、私にまで逃げられたら困る、と肯定したも同然。
お父様が突きつけた難解な条件を蒼樹さんはあっさりとクリアしてしまった。
だから、お付き合いすることに反対ができなくなった今、蒼樹さんよりも簾条に釣り合う人間を探しているようだ。
その候補に海斗と藤宮司が挙がったのは言うまでもない。
「同世代に生まれ、さらにはご学友。こんな偶然はそう重なるものではございません」
そう口にしたのは内藤だったと記憶している。
家の用事で外出するときや学校の帰りが遅くなるときは、この男が私の送迎をする。
お父様は外出のすべてにおいてこの男に送迎させたいようだけれど、それは今のところ免れている。
「私はまだ高校生です。杏華(きょうか)姉様のように家出などするつもりはございません」
そう言って黙ったということは、私にまで逃げられたら困る、と肯定したも同然。
お父様が突きつけた難解な条件を蒼樹さんはあっさりとクリアしてしまった。
だから、お付き合いすることに反対ができなくなった今、蒼樹さんよりも簾条に釣り合う人間を探しているようだ。
その候補に海斗と藤宮司が挙がったのは言うまでもない。
「同世代に生まれ、さらにはご学友。こんな偶然はそう重なるものではございません」
そう口にしたのは内藤だったと記憶している。