光のもとでⅠ
 なんでこんな問題が八十点ギリギリクリアなんだか……。
「私たち文系なのよっ」
「一学期から理系首位の翠葉と比べんなよなっ!?」
「……おまえたちは健康優良児で学校へも休むことなく通ってきていて、さらには今の時期テスト勉強だってしてるよな? それでこの点数っていうのは威張れることなのか?」
 俺の言葉にふたりは口を噤んだ。
「言っておくけど、翠の本領発揮は今学期の中間からだと思うけど?」
「「え?」」
 ふたり揃って間抜け面。
「一学期の中間は未履修分野のテストと並行させてのテスト勉強だった。全国模試は初めてのテストで勉強の勝手がわかっていなかっただろうし、期末は本調子じゃなかった。それでもあの順位だ。二学期に入ってからの模試も夏休み中に一切準備をしない状態で受けておきながら、点数順位ともにそれなり。今回の中間は前もって勉強もしているし一学期の期末に比べたら身体にかかる負荷も少ない。そのうえ、中間考査は試験科目が少ない分もっと点数を伸ばしてくるだろう」
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